【雑記】陰陽師と日本各地に存在する結界
安倍晴明の血を受け継ぐ陰陽師

算命学の話からはやや逸れますが、「日本の結界」という書籍を読みましたので、備忘録的に記事に残しておきます。
陰陽師である安倍晴明の血を受け継ぐ安倍成道氏が著した本です。とても興味深い内容でした。陰陽師とは陰陽寮に勤める国家公務員です。陰陽師には1080もの術が伝えられていると記載されています。陰陽師とは一時期映画や漫画で話題になりましたが,超能力のような術や式神を用いて悪霊を退治するというイメージが一般的でしょうか。成道氏は、安倍晴明の末裔の陰陽師で、第27代の水系の家系を継ぐ陰陽師とのことです。
陰陽師は、木の家系・火の家系・土の家系・金の家系・水の家系の5家で成り立っているそうです。陰陽五行の5系です。安倍晴明には5人の側室がいたようで、それぞれに子供をもうけていたようです。これが後の5家と発展していったと語られています。これに宗家が加わり、6家の陰陽師がいるとのこと。陰陽五行という点では算命学と共通点がありますね。
結界とは

結界の発端は封印呪(ふういんしゅ)というもので、何かものを封印するために作られたものだそうです。結界の「区切る」ということから発展して、区切る=封印するという目的で考案されたものが封印呪とあります。
結界とはそもそも端と端を結んで線を作るのが発端のようです。端と端を結ぶとそれが線となります。線ができると、あちら側とこちら側ができることになります。「あちらとこちらを分けるもの」これが結界の始まりだそうです。これが徐々に発展していって、今日では結界というと最終的に五芒星がイメージされるようになりました。
結界は目に見えませんが、目に見えるもので結界の役割を果たしているものもあります。川やお城の堀。川はたしかに、あちら側とこちら側を分断しており、区切るという役割を持っています。これを知ったとき「なるほどなぁ」と唸ってしまいました。
結界の種類
結界には3種類あるとのこと。
- 神界
- 絶界
- 結界
神界・絶界・結界にはそれぞれ9レベルの術の強弱があり、合計すると3 x 9 = 27レベルに分類できるようです。
結界の作り方
結界を作るには一般的に石を用いるそうです。その辺に転がってる石でも良いようですが、材質的には翡翠や水晶が適しているようです。それも、翡翠であればより白い翡翠が良いとのこと。術を込めやすい石とそうでない石があるとか。結界を作る際に用いる石を結界石と言います。強力な術式を使う場合には、術を込めた小さな石をさらに大きな石に埋め込んだりするそうです。大きければ大きいほどその力も増幅されて強くなると語られています。そして、術を込めた石を、地面に穴を掘って地中深くに埋めるのだそうです。そして、その石は決して動かしていけないのだとか。翡翠や水晶ってなんだか神秘的なイメージがありますが、こんなところで役立ってるのですね。

なお、霊はガラスを通過できないとのこと。昔の時代ではガラスは貴重だったので、その頃の時代には閉じ込めた霊を封印するのに釉薬(ゆうやく)を塗った壷が用いられていたようです。蓋に栓をして結界符を貼るそうです。
結界を作るのに、一般的には石を用いますが、特別な場合には鏡結界という鏡を用いる場合もあるようです。鏡で呪いなどの術を跳ね返す効果があるようです。安倍晴明が張った結界は1000年経つ今でもメンテナンスせずとも力衰えることなく機能しているらしく、陰陽師として別格だったことが伺えます。とてもすごいですね。
御度(おど)
御度(おど)、これは算命学で言うところの氣のようなものかなと解釈しました。人はもちろんのこと動物・植物・建物やその辺に転がってる石にも御度があると記されています。御度には色や形・勢いがあり、人・モノそれぞれで異なる、と。算命学で考えられている気には、形はないと言われています。陰陽師は人の御度が見えるようですが、見えるのだとしたらどのように見えるのか非常に興味がありますね。御度を見ただけで、その人が健康かそうではないかがある程度判断がつくようです。
日本各地に存在する結界
例えば関東では、江戸、いまで言う皇居を中心に都心には数え切れないほどの結界が存在する、と記されています。普段気にすることはありませんでしたが、都心に結界があるなんて思いもよりませんでした。
以下に日本に存在する結界を列記してみようと思います。
- 昭島-金剛寺-高尾山-浅間嶺
- 秩父湖-三峰山-三峯神社-武甲山
- 京都市内広域
- 山国御陵
- 御神島-舞鶴-瀬崎-天橋立-経ケ岬
- 伊賀-甲賀-島ヶ原-霊山-太神山
まとめ
とても興味惹かれる内容なので、200ページほどの分量でしたが一気に読み進めてしまいました。目には見えませんが、日本各地には陰陽師の施した数え切れないほどの結界が存在することを知りました。また、呪いについても巻末の方で触れてあり、そんなものは普段接する機会もなく信じられない内容でしたが、ある種の説得力のある文章でとても興味深く読むことができました。
日本は島国であり、数え切れないほどの山がたくさんあります。龍脈や地脈が通っている箇所は、それ自体がエネルギーを持っているため、龍脈・地脈のある場所は栄えるとのこと。地脈と龍脈は日本列島を縦断していて、その地脈・龍脈の上に多くの神社や聖域などが存在していると記載があります。現代で言うところのパワースポットでしょうか。
いずれにしても、陰陽師や日本の結界を知るにはとっておきで非常に面白い内容でした。興味ある方は一度読んでみてはいかがでしょうか(^^)
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